「菊芋」は、メディアでも紹介されていたので、ご存じの方も多いかとは思いますが、管理人はただいま、その「菊芋」にはまっています。
菊芋は、糖尿病と因果関係のある「血糖値・HbA1c(ヘモグロビンエーワーンシー)」を下げる効果があるといわれています。結論からいいますが、管理人の周囲の糖尿病ぎみだった複数の方が、かなりの効果を出しています。
最初に申し上げておきますが、菊芋に毒性はありません。
菊芋(きくいも)ってどんな野菜?
菊に似た黄色い花が咲き、芋に似た球根ができるので、「菊芋(きくいも)」という和名が付けられたそうですが、なぜか「ブタイモ」とよばれることもあるそうです。「菊芋」という名は納得だけれど、なぜ「ブタイモ」なのかも調べてみました。
ほかのみなさんも「どこでも育つからなの?」それとも「豚の飼料にされることもあるの?」と、疑問を持たれているようですね。
調べていくうちに「江戸時代の末期に家畜用の飼料として普及していたため」という具体的な情報を見つけましたので、とりあえずこちらを採用させていただきましょう。
それから「エルサレム・アーティチョーク」ともよばれているようです。菊芋はアーティーチョーク(チョウセンアザミ)に「味」が似ているそうですが、なぜ北アメリカ原産の野菜に「エルサレム」という中東の聖地の名がつくのかはわかりません。
ただ、イスラエルでは菊芋をよく食材として利用しているそうです。
菊芋には血糖値や便秘に効果があるといわれてるけど?
菊芋は天然のインスリン?
菊芋は「芋」ではなく、キク科ヒマワリ属の植物。同じキク科の野菜にはゴボウがあります。そして両者の共通点は「イヌリン」を多く含むことですね。
イヌリンという名は、同じくキク科である「イヌラ」という植物に由来します。
ほかにイヌリンを多く含む野菜はにんにくや玉ねぎがありますが、菊芋(とくに紫色をした「紅菊芋」)はイヌリン含有量のチャンピオン。そして、このイヌリンはとても優秀な物質なのです。
血糖に直接的に作用することはないが、食後の血糖濃度上昇を抑制することに加え、腸内細菌による代謝産物がインスリン感受性を向上させることにより、糖尿病患者の血糖値を適切な水準に調節することが報告されている。
そのため、血糖値異常に起因する疾病に対しての有効な食事療法の手段として期待される。(イヌリンーwikipedia)
すい臓から分泌される「インスリン」には、血糖値を下げる働きがあるのですが、菊芋に豊富に含まれる「亜鉛」が、そのすい臓の働きを助けるそうです。
そのため、菊芋は糖尿病の患者さんや予備軍の人に、イチオシの食材なのです。
管理人の知り合いの女性は、「血糖値・HbA1c(ヘモグロビンエーワーンシー)」の値が、2~3か月で8台から6台に下がり、主治医も驚いたのですが、その主治医も菊芋を食べていたそうです。
もちろん、菊芋だけに頼るのは禁物ですが、菊芋が糖尿病治療の力強い味方になってくれることは確実ですね。
また、菊芋はイヌリンや亜鉛だけではなく、高血圧の予防になる「カリウム」や、活性酸素を直接分解してくれる「ポリフェノール」も豊富に含まれています。まさにスーパーフードといえますね。
菊芋は便秘に効果があるの?
イヌリンの正体は「水溶性の植物繊維」。植物繊維が、便秘解消に効果があることはよく知られていますよね。菊芋は、便秘が原因でメタボ体型になってしまう方にもおすすめです。
イヌリンは腸に届くと「フラクトオリゴ糖」になります。そしてオリゴ糖は、腸内で善玉菌のエサになり善玉菌だけを増やします。「免疫力がアップする腸内環境正常化」につながるということですね。
菊芋には毒性があるって本当?
インターネットで調べたところ、「菊芋の毒性」について気にされている方もいらっしゃるようです。現に一部のサイトには「菊芋に豊富に含まれている『セレン』という物質には毒性があるので、大量摂取は控えるように」と記載されています。
ただし「具体的な数字や具体的な健康被害報告」は見つけることができませんでした。
管理人が販売店に「菊芋の毒性」について聞いたところ、「人によってはお腹が緩くなる程度です」という答えが返ってきました。
周囲にも健康被害があった人はひとりも見当たらないのですが、気になる方は購入前に販売店にご確認ください。
じゃがいものように芽にも毒性はありません
菊芋はキク科ヒマワリ属の多年草、じゃがいもはナス科ナス属の多年草で、まったく別物ですね。もちろん、菊芋の芽に毒性はありません。
ちなみにヒルガオ科サツマイモ属のさつまいもの芽にも毒性はありません。
菊芋の美味しい食べ方・レシピは?
菊芋を油で揚げるだけ
菊芋をスライスして油で揚げるだけ。簡単でとても美味しい食べ方です。天ぷらにするのもおすすめですよ。油分が気になる方は、電子レンジを使いましょう。
オーブンシートの上にスライスした菊芋を並べてチンします(600wで様子を見ながら8分程度)。そのまま食べるのも良し、サラダのトッピングにするのも良し。
菊芋をサラダにする
菊芋の皮を剥き、5分ほど湯がいてクラッシャーで潰し、ほかの野菜と合わせてマヨネーズで味をつける「ポテトサラダ風の食べ方」もおすすめ。ジャガイモと違いシャキシャキ感がたまりません。
菊芋を育てている方には、新鮮な生の菊芋をスライスし5分ほど水にさらし、レタスやトマトなどほかの野菜と一緒に、ドレッシングで食べる方法もおすすめです。
オリーブオイルと酢、胡椒を使ったドレッシングと合うようです。
そのほか、お味噌汁に入れたり、和え物にしたり、酢漬けやお漬物にもできますので、レシピを参考にお楽しみください(レシピはこちら)。
菊芋の保管方法は?
菊芋は長期保存には向かない野菜です。プランターを利用し、菊芋を土に埋めておく保管方法ならば、最長で3か月ほど持ちます。
でも結構面倒ですよね。春になり温かくなれば芽が出てきてしまうのでご注意ください。
皮を剥いて冷凍にした場合は1か月から2か月持ちますが、生食ではなく煮物などにご利用ください。
冷蔵庫に保管する場合は1週間程度しかもちません(常温ならばさらに短い)ので、菊芋のシーズンは食べる分だけ購入するのがおすすめです。
ちなみに菊芋のシーズンは11月頃から翌春の4月頃までとなります。シーズンオフは市販のパウダーやお茶、チップスなどで代用されることをおすすめします。「スーパーフード」といわれる菊芋を、1年中、食習慣のひとつに加えたいですよね。
普段食べている食事に菊芋をプラスしても、効果がありませんし、逆に少し太ってしまう場合もあります。ご注意ください。
今回は、血糖値を下げる効果や便秘の解消に効果があるといわれている「菊芋」をご紹介しました。
菊芋は土壌を選ばず、繁殖力も強いため、非常に育てやすい野菜だともいわれています。
ホームセンターなどで「種芋」が販売されているので、場所と時間のある方は自分で育ててみてはいかがでしょうか。ちなみに管理人の母も育てていますが、やはり新鮮な菊芋は違いますよ。