「ふるさと納税」をおこなうには「実質2000円」の自己負担額が発生します。
この2000円はいつ支払うのか?損にはならないのか?寄付ごとに毎回支払うのか?といったさまざまな疑問をお持ちの方がいるようです。
確かに普通に税金を支払うより、ふるさと納税をすると2000円多く支払うことになるのですが、たとえ2000円多く支払おうが、ふるさと納税には大きなメリットがあります。
つまり、2000円多く支払うだけで、ふるさと納税(=寄付)をした自治体から、お礼として贅沢な名産品が送られてきます。
それでは、ふるさと納税を始めるにあたり、ネックになりがちな「自己負担金2000円」に関する様々な疑問を解消していきましょう。
ふるさと納税の自己負担額2000円はいつ支払う?
ふるさと納税の自己負担金2000円は、税務署や自治体の指定の銀行に振り込むのではありません。
たとえば合計50000円分のふるさと納税(寄付)をしても、48000円分の還付・控除しかされません。その差額が2000円です。
ふるさと納税の自己負担額2000円は損?なぜ支払う?
「ふるさと納税」は、正確にいえば、納税ではなく寄付です。そのため難しい税金の知識は不要です。
会社員の場合は、寄付先の自治体ごとに書類(マイナンバーカードのコピーなどの身分証明書)を返送するだけで成立します。
ただし、年収をはじめ家族構成、住宅ローン控除や医療控除の有無によって、寄付(=控除される税金)の「限度額」が決まっているため、その計算の元となる年収を誤ると損になる場合があります。
多くの場合、12月の給与明細と一緒に源泉徴収票が配られるので、「支払金額」の欄を見ればその年の正確な年収がわかります。
果物や野菜、海産物などは旬があるため、春夏秋冬分散して寄付をすることをおすすめします。
12月に一気にやってしまうと、返礼品が冷蔵庫に入らなくなる可能性もあります
ふるさと納税をすると、年収に関わらず誰でも一律2000円の自己負担金が発生します。2000円は手数料のようなものです。
ふるさと納税をした合計額から2000円を引いた金額が、その年の所得税から還付(振込は翌年4〜5月)され、翌年の住民税から控除(翌年の5月から1年間)されます。
確かに「2000円の手数料がかかる税金の前払い」ともいえますが、ふるさと納税をすれば、寄付先の自治体から寄付した額の30%以下の返礼品(寄付のお礼)が届くので、少しの注意さえを払えば、多くのみなさんが「得する」制度ということになります。
ふるさと納税の実質負担額が2000円なのは嘘?
「ふるさと納税の実質負担額が2000円なのは嘘ではないか」という疑いを持っている人もいるようです。
「嘘」というからには、
- 自己負担額が2000円以上だった
- 2000円を支払っているのに名産品が届かなかった
- その他、とにかく損をした
ということを「心配している」、または「実際に経験した」ということですよね。
なぜそのような残念なことになるのか、防止法や対処法が考えてみましょう。
自己負担額の2000円が損になってしまう理由
1.(控除)限度額を超えてしまった
ふるさと納税をした年の年収がなんらかの理由で、想定していたより少なく、限度額を超えてふるさと納税をしてしまった場合は、金銭的に損をするか、手間だけ発生し得もしません。
控除の限度額を超えた分は「普通の寄付」となります。
万一、限度額を超えてしまった場合は、ワンストップ特例制度より確定申告がおすすめ!確定申告の方が自己負担額が減るケースが多いため、税理士等専門家にご相談ください。
2.自分の居住地にふるさと納税をしてしまった
自分が住民票を置く自治体にふるさと納税をしてしまった場合も普通の寄付になります。
同じ県でも隣の市町村なら返礼品がもらえますが、自分の居住する自治体にふるさと納税をしても2000円の自己負担のみが発生し、原則返礼品はもらえません。
3.(控除)限度額が7000円以下なのにふるさと納税をしてしまった
ふるさと納税は、(控除対象となる)所得税が非課税の専業主婦や年収103万円以下のアルバイターにはおすすめではありません。制度上はできても「普通の寄付」になります。
そして、返礼品(の仕入額)は寄付の30%以下と決められているので、控除の限度額が7000円以下だと返礼品は2100円以下となり、2000円の自己負担を考えれば「損」になります。
さらに自治体によって書類返信用の封筒が入っていないこともあり、切手代も必要になります。
ふるさと納税のメリットを最大限受けられるのは、年収の高い独身で、医療費など他の控除を受けていない人です。
ただし、年収300万円を超える正社員、フルタイマーの人なら、ほとんどの場合メリットがあるので、かならずポータルサイトのシミュレーションで限度額を確認してくださいね。
4.5000円以下のふるさと納税だった
5000円以下や、災害被災地の支援のためのふるさと納税には、返礼品がないこともあります。
ふるさと納税を複数回した場合、2000円は自治体ごとに毎回払う?
ふるさと納税をする自治体の数や回数、年収や家族構成とは無関係に、ふるさと納税をする人は1年に一律で2000円のみ負担することになります。
そのため、寄付をする自治体の数や、寄付の回数はあまり考える必要はありませんが、寄付をした自治体の数が6か所以上になると、会社員の特権である「ワンストップ特例制度」が利用できず、確定申告になります。
同じ自治体に複数回寄付しても、1か所にカウントされますが、まれに1度分しか返礼品を贈らない自治体もあるので、事前に確認した方が無難です。
ワンストップ特例制度の書類の最終締切は年明けの1月10日必着となり、間に合わなければ確定申告が必要となります。
最後の1つが間に合わないだけで、全部確定申告をしなければなりません。確定申告をするとワンストップ特例制度の利用がすべて無効になってしまいます。
「医療費が1年で10万円を超えた」等の理由で控除を受けるため、急きょ確定申告をすることになった場合も、それまでのワンストップ特例制度の申請はすべて無効になり、確定申告で上書きされてしまいます。
急きょ確定申告をすることになり、必要になる場合もあります。
ふるさと納税の自己負担額2000円はその何倍もの価値がある
ふるさと納税(居住地以外の自治体への寄付)は、本来払うべき税金の前払いです。
前払いなのに2000円の自己負担があります。
そのため「損なのではないか」と勘違いするのも当然なのですが、この2000円で、地方の贅沢な特産品を何度も申し込むことができます。※ワンストップ特例制度を利用する場合は5自治体以内。
金銭的に損をしないコツは、①必ず控除限度額の範囲内に収めることと、②自分の居住地の自治体など、返礼品がもらえない自治体を選んでしまわないことです。
ふるさと納税の手続きは、慣れるととても簡単なので、まずは少額から始めてみませんか?