今回は、奈良県桜井市にある「大神神社(おおみわじんじゃ)」をご紹介します。大神神社は、日本最古の神社のひとつとされ、本殿を設けず「三輪山」を御神体としています。そのため、私たちは「登拝(一般的な山の場合は登山)」という形をとり、お参りをすることになります。
大神神社とはどのような神社なのか?
大神神社の主祭神は「大物主大神」
「大物主大神 (おおものぬしのおおかみ)」は、「大いなる物の主」という意味であり、人間生活全般の守護神とされています。
また、古事記と日本書紀によれば、大物主大神は、出雲の「大国主神(おおくにぬしのかみ)」に、「私は、国造りを成し遂げるために三輪山に祀られることを望んでいる」と告げ、「私は、あなた(大国主神)の幸魂(さちみたま)であり、奇魂(くしみたま)でもある」と明かされたそうです。
一霊四魂説のもっとも一般的な解釈は、神や人には荒魂(あらみたま)・和魂(にぎみたま)・幸魂(さきみたま、さちみたま)・奇魂(くしみたま)の四つの魂があり、それら四魂を直霊(なおひ)という一つの霊がコントロールしているというものである。和魂は調和、荒魂は活動、奇魂は霊感、幸魂は幸福を担うとされる。(一霊四魂ーwikipedia)
なお、本居 宣長の説では、魂は「荒魂」と「和魂」のふたつにわかれ、「和魂」はさらに「幸魂」と「奇魂」にわかれるとされています。
このように、大国主神と大物主大神は同じ霊であり、大物主大神は「大神(おおみわ)」とよばれるほど、「神さまのなかでもとくに神格の高い神さまである」ということがよくわかります。ここ大神神社が、日本有数のパワースポットだといわれるのも納得ですね。
大神神社のご利益
「大神神社」は、あの江原 啓之さんも「日本で5本の指に入る最強のパワースポットである」と太鼓判を押した神社です。
私も参拝したことがありますが、シャトルバスを降りた瞬間に、清々しい空気に満ち溢れているのを感じました。
霊感とは無縁の私なのですが、あの心地良さは、大神神社を訪れた方すべてが実感できるものだと思っています。
「日本書紀」によると、大物主神は、巫女である「倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)」の夫でしたが、きまって夜にしか現れませんでした。
そこで、百襲姫(ももそひめ)が「朝まで一緒にいてほしい」と頼んだところ、夜が明けて姫が見たものは一匹の蛇だったそうです。
姫は驚いて絶命し、大物主神は三輪山へと戻っていきました。実はこの「百襲姫(ももそひめ)」こそが、邪馬台国の女王「卑弥呼」なのではないかという説があります。
大神神社では蛇のことを「巳(み)さん」とよび、拝殿の横の「巳の神杉」に、蛇の好物の卵をお供えする習わしがあります。
蛇の神さまといえば、ご利益は「金運」ですね。また、大物主神は生活全般の守護神ということもあり、仕事運、恋愛運、家内安全、健康運など、さまざまなご利益があるとされています。
御祭神の「大物主神」は、縁結びの神さまであり「因幡の白うさぎ」の神話で知られている「大国主神」と同一の神さまであると伝えられています。
また、大神神社の例祭(大神祭)は、崇神天皇8年卯の日にはじまりました。つまり大神神社は「うさぎ」と縁のある神社なのです。
拝殿横の参集殿に鎮座する「なでうさぎ」をなでると、身体の痛い部分を治してくれたり、願いごとを叶えてくれたりするといわれています。授与所でも、可愛らしいうさぎの土鈴やお守りがいただけます。
大神神社の大鳥居と三ツ鳥居
大神神社の特徴は数多くありますが、日本で二番目に高い鳥居の存在も大きな特徴のひとつといえるでしょう。高さ32.2m、柱間23m。
この高さでも日本一ではなく、日本で一番高い鳥居は、和歌山県田辺市の「熊野本宮大社」の高さ33.9mになります。ちなみに第三位は、新潟県西蒲原郡の「弥彦神社」で30.16m。30mをこえる高さの大鳥居は、以上の3つです。
大神神社の拝殿の奥には、国の重要文化財である「三ツつ鳥居」があります。三ツつ鳥居から辺津磐座(へついわくら)までは「禁足地」とされ、鳥居が横に3つ並んだ独特の形の三ツつ鳥居が結界(本殿の扉)の役割を果たしています。
禁足地では、古墳時代の祭祀用の土器や子持勾玉が出土しており、ここでもやはり卑弥呼となにか関係があるのではないかと楽しい想像ができますよね。なお、三ツつ鳥居の拝観の申し込みは、参集殿までお願いします。
大神神社の御神体「三輪山」へのご登拝とは
「三輪山」は、標高467m。大神神社の御神体であり、石、草、木のひとつひとつにまで神さまが宿っているとされています。
山中には、古代の人々が崇敬していた「磐座(いわくら)」とよばれる岩が点在し、山頂には主祭神の大物主神、中腹と麓にはそれぞれ、配祀神の大己貴神 (おおなむちのかみ)と少彦名神 (すくなひこなのかみ)が、鎮座するとされています。
三輪山への登拝は「お参り」であり、行楽気分で登ることはできません。山にあるものは、たとえ石ころひとつであろうと、持ち帰ることはできません。
三輪山の登拝口は狭井神社
三輪山への登拝は、「狭井神社(さいじんじゃ)」で受け付けてくれます。狭井神社は病気平癒のご利益があるとされる神社で、「薬水」とよばれる霊水の湧く井戸があります。そしてこの薬水は万病に効くとされています。
三輪山への登拝はこちらの水を水筒に入れてお持ちください。登拝中の飲食は厳禁で、記念撮影も禁止されています。自分で大麻(おおぬさ)を使いお祓いをしたあとに入山します。
受付には、代表者の住所・氏名・携帯電話番号が必要で、9時から14時までに受付を済ませ、16時までに下山し狭井神社まで報告しなければなりません。
登拝料は一人300円となります(2020年2月現在)。登拝のできない日は、公式サイトをご参照ください(公式サイトはこちら)。
三輪山の登拝の感想は?
「三輪山」は高さ467mと、それほど高い山ではありませんが、標高のわりに勾配が急で、普段から運動不足の私は結構大変でした。
ただ、お子さんやご年配の方も多く登拝されていますので、持病さえなければ、休み休みゆっくりと登れば大丈夫なのではないでしょうか。
ただし、大神神社のホームページによると、救急車が出動することもあるそうなので、無理は禁物です。途中で具合が悪くなるということは、「もう一度お出でなさい」ということですからね。
私の場合は、毎回恒例である「次の日(最近は2~3日後)の筋肉痛」はなぜかありませんでした。木の杖が用意されていますので、自分の身長に合ったものを選び、持たれることをお勧めします。
狭井神社の御朱印(2020年4月3日)
大神神社と三輪山登拝に行ったときのいただいた『狭井神社』の御朱印です。新型コロナウィルスのために御朱印帳に直接書いていただくことはできませんでしたが、シンプルな御朱印でした。
三輪山登拝後のご利益
「ご利益」という言葉を使いましたが、具体的なお願いごとはしていません。「する気が起きなかった」というのが正しい表現でしょうか。
私が登拝したのは5月だったのですが、前月の3月か4月に、友だちから大神神社と三輪山の話を聞いて、なんだか突然、無性に登拝がしたくなったのです。
それまでは、神社にもパワースポットにもとくに興味はなかったのですが、今回だけは「不思議なパワー」で呼ばれているような気がしました。
登拝した後は、確実に「プライスレス」な良い出来事が続いています。ちょうどディズニーランドのアトラクションに短い待ち時間で楽しめる「ファストパス」のような出来事です。ほかの方はいかがでしょうか?
https://twitter.com/zizoubon/status/1135470933441826816
肩こりが改善されたという方も多いようですね。裸足で登拝される方もいるようですが、石が多く、怪我をする可能性があるので、あまりおすすめはしません。
https://twitter.com/tigerblessing/status/1147764818343915520
何度も登拝している方も、翌日以降に疲れが残ったことがないそうで…。やはりこれが「最強のパワースポット」というものかもしれませんね。
山中で見聞きしたことはあまり口外しない方が良いとされていますが、敬虔な気持ちで登拝すれば、大物主大神はきっと私たちの味方をしてくれることでしょう。
大神神社のご朱印(2020年4月3日)
新型コロナウィルスのために直接書いていただけなかったのですが、左のページに大神神社の絵がついています。
大神神社の御朱印とお守り
格調高いデザインの大神神社の御朱印帳
本日、大神神社⛩の御朱印帳を改めて拝受しました!
これからこの御朱印帳は毎月の大神神社⛩参拝と三輪山登拝時に御朱印を頂く為の専用にします!
今日が最初の御朱印です。
まずはこの御朱印帳が満願する事が目標です!ᕦ(ò_óˇ)ᕤ pic.twitter.com/2ozLEbuDps— ハナタロウ (@hanasuke1928) July 3, 2018
大神神社の御朱印帳は、表面に重要文化財の拝殿、裏面には御神体の三輪山と社紋がデザインされています。カラーは新緑をイメージした淡いグリーン。御朱印帳の初穂料は2,000円。御朱印のみの初穂料は300円です。
大神神社には女性好みのお守りが充実
大神神社の奥にある「禁足地」には、古墳時代から奈良時代の人々が崇敬していた「磐座(いわくら/神さまが宿るとされる岩)」があり、祭祀用の土器や子持勾玉が出土しています。
大神神社の授与所には、子持ち勾玉をモチーフにした腕輪や値付け、ペンダントトップの授与品があります。初穂料は1,000円~3,000円。(写真のストラップは別売り(管理人の私物))
奈良県にある日本最古の神社 #大神神社 のお守りが可愛い。
ぷにぷにしていて、このうさぎを強く握りながらお願い事をすると願いが叶うらしい。 pic.twitter.com/VFqqz3sScT— あいばたいき@攻めの隠居系移住者 (@dj_tai2u) December 15, 2019
また、うさぎをモチーフにした可愛いお守りや土鈴も充実。旅先に持参できる瓶に入った「お清めのお砂」は5袋分で初穂料が1,000円です。
大神神社のお守りは、スマホの電磁波をカットする?!
とにかくユニークなお守りが充実している大神神社ですが、Coming back to nobodinessさんのブログによると、大神神社のお守りには電磁波をカットする効果があるそうです。
私は電磁波に敏感というわけではないのでイマイチわからないのですが、日本屈指の最強パワースポット・大神神社のお守りですよ。電磁波カット以外に他のご利益が期待できるでしょう。
ちなみにブログでは、お守りの種類はとくに指定されていませんでした。ストラップ型のお守りもありましたので、二つ折りの携帯電話の方はもちろん、手帳型のスマホケースを使っている方なら、ポケットに入れておいてはいかがですか?
もちろん、電磁波過敏症でない方にもおすすめです!
大神神社へのアクセスと駐車場
JR桜井線「三輪駅」から徒歩5分で到着します。また、土日祝のみシャトルバスが、「JR・近鉄桜井駅」北口2番乗り場~「大神神社二の鳥居前」間を運行しています。
所要時間は約20分。3本ある10時台をのぞき、基本体にください1時間に1本となりますのでご注意ください。運賃は大人190円、小人100円です。(アクセスのご案内はこちら)
大神神社の無料駐車場は4か所あり合計320台分の駐車が可能。「ニの鳥居駐車場」が大神神社に一番近く徒歩1分、ほか3か所は徒歩10~15分になります。(駐車場のご案内はこちら)
【名 称】 | 大神神社(おおみわじんじゃ) |
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【住 所】 | 奈良県桜井市三輪1422 大神神社 |
【電話番号】 | 0744-42-6633 |
【授与所の受付時間】 | 9:00~17:00(授与所閉所後は、参集殿まで~17:30) |
【公式サイト】 | http://oomiwa.or.jp/ |
参拝の後のランチは「三輪そうめん」がおすすめ
「そうめん處 森正 (そうめんどころ もりしょう)」は、大神神社にもっとも近い「ニの鳥居」出てすぐの「三輪そうめん」のお店。
築100年の古民家をリノベーションした雰囲気抜群のお店です。盛り付け方も美しく、フォトジェニック。
三輪山に登拝された方は、かなりお腹が空いていると思いますので、そうめんだけでは物足りなければ、「柿の葉すし」を付けてみてはいかがでしょうか。
お値段は、ひやしそうめんが1,000円、柿の葉すしは5つで750円です。そうめんやお漬物などのお土産の購入も可能です。
【店 名】 | そうめん處 森正 (そうめんどころ もりしょう) |
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【住 所】 | 奈良県桜井市三輪535 |
【電話番号】 | 0744-43-7411 |
【営業時間】 | 平日:10:00~17:00(冬期10:00~16:30)※ 日祝は9:00~ |
【定休日】 | 月・火曜ほか不定休 |
【備 考】 | カード不可・完全禁煙・駐車場は大神神社と共有 |
【関連サイト】 | https://tabelog.com/nara/A2904/A290402/29000007/ |
大神神社のお土産は「みむろ最中」がおすすめ
みむろ最中の箱が可愛くなったんですね♫ pic.twitter.com/EF9zDlrGUm
— MIKI (@happy_pix) November 7, 2019
大神神社のお土産の定番といえば、「みむろ最中」。日本で第二位の高さを誇る大鳥居のそばにある「白玉屋榮壽(しらたまやえいじゅ)」の看板商品です。
看板商品というより、この「みむろ最中」だけで勝負されています。そのため、お店の名前より「みむろ最中」という商品名の方が有名ですね。
「みむろ最中」という名前は、三輪山の別名「三諸山(みもろやま)」にちなんだものなので、まさに大神神社のお土産にはぴったりです。
あんこや甘い物の苦手な方には少々不評な最中ですが、「みもろ最中」は甘さ控えめで小さめなので、どなたにでも喜んでいただけます。
サイズは大小2種類あり、それぞれ200円と100円のお手頃価格です。1つから購入可能。
【店 名】 | 白玉屋榮壽(しらたまやえいじゅ) |
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【住 所】 | 奈良県桜井市大字三輪497 |
【電話番号】 | 0744-43-3668 |
【営業時間】 | 8:00~19:00 |
【定休日】 | 毎週月曜(第三週のみ月曜・火曜連休)※ 月曜が祝日の場合は火曜 |
【公式サイト】 | https://www.begin.or.jp/~mimuro/ |
今回は「呼ばれないと行けない?」ともいわれる、奈良県桜井市の「大神神社」とその御神体である「三輪山」の魅力と基本情報をご案内しました。
管理人のRubyも三輪山に登拝してはじめて、「パワースポットって本当にあるんだ!」と実感しました。多くの方とこの素晴らしいトキメキをわかちあいたいと思います。行ってらっしゃ~い!すばらしい旅を!