「介護士の仕事内容には興味はあるが、介護業界には将来性がないのでは？」と考えている方、その考えを一度見直してみてはいかがでしょうか。
おそらくあなたは、介護士の仕事が将来無くなることへの心配ではなく、多忙で重労働のわりにお給料が上がらないことに対する不安を抱えているのではないですか？
介護福祉業界には、多くの資格が存在するため、自分自身のスキルアップとともにキャリアを積むことが可能です。
政府の主導により、給与や待遇の改善も急速に進んでおり、働きやすい環境が整いつつあります。
たとえこの先AIやロボットがいくら進化したとしても、人の温かみを提供する介護士の役割は決して減りません。
このように、介護士は多くの面で将来性が確実にある職種といえます。
新たな視点で介護士という仕事を考えてみてくださいね。
介護士には間違いなく将来性がある『12の理由』
1. 高齢化社会の進行
日本は高齢化社会が急速に進んでおり、今後も介護が必要な人が増えるため、介護士の需要はますます高まります。
2. 人手不足
現在、介護士の数が年々増えていることは事実なのですが、介護が必要な高齢者の数にはまだまだ追いつけず、介護業界は人手不足が深刻であり、これからも多くの介護士が必要とされるでしょう。したがって失業の心配がありません。
3. 資格の多様性
介護福祉士をはじめ、介護福祉業界にはさまざまな資格があり、資格を取得することで専門性を高め、賃金のアップ、キャリアアップが可能です。体力に自信がなければ、ケアマネージャーや社会福祉士の資格取得を目指しましょう。
4. 給与の見直し
人手不足を解消するために、給与や待遇の改善が進んでいる施設が増えています。これは業界内だけではなく、国としての最重要課題であり、現に政府主導での待遇の改善が進んでいます。
5. 技術の進化
AIや介護ロボットが進化しても、人の温かみが必要な介護業界では、人間の介護士が不可欠です。
6. 働き方の柔軟性
パートタイムやデイサービス、夜間勤務など、多様な働き方が可能で、あなたのライフスタイルに合わせることが可能です。
7. 地域社会での重要性
地域社会においても介護福祉業界従事者は非常に重要な役割を果たし、とくに国家資格である介護福祉士や社会福祉士、難関資格であるケアマネージャー保持者の活躍は期待されています。
8. 感謝される仕事
お金をいただく側が感謝される仕事は、かなり限定されます。介護士は、直接人の命や健康、生活に関わる仕事であり、感謝される機会がたくさんあります。
9. スキルの多様性
コミュニケーション能力や問題解決能力など、多くのスキルが身につく仕事です。
10. 再就職のしやすさ
介護士のスキルは多くの場面で活かせるため、他の職種への転職も比較的容易です。また、40歳以上でも、経験や資格があれば、比較的容易に再就職が可能です。
11.年齢を重ねても輝ける仕事
介護士は40代から60代の世代が多く、中には70代以上で活躍している人もいます。昭和時代の話ができる利用者さんの子どもや弟妹の世代は、重宝がられています。
12.自分の親の介護が容易
親が病気や怪我で介護が必要になることもあるでしょう。介護業界でのスキルは当然自分の親にも有効です。また、親の介護施設を探すときにも、安心してお任せできる施設を見分けることができます。
以上のような理由から、介護士は将来性のある職種と言えます。
将来性がないと思われている理由＝介護士は過酷な重労働の割に低賃金ってほんと？
確かに介護士の平均年収は、日本人全体の平均年収より低い傾向にあります。
介護士=低賃金のイメージがある理由
新規参入者、転職者がほとんど
介護保険制度が始まったのは2000年。介護士の数は倍増どころではなく、3倍以上に増加しています。
他の業種だと勤続30年、40年と、同じ企業に勤めている人も珍しくありませんが、介護士の場合は、新規参入の人が多く、正社員として仕事を見つけやすいことから、勤務先を変える人も多く、全体的には給与が低くなる傾向があります。
勤続15年以上の介護士の割合は約1割とされています。
女性従事者が多い
日本特有の困った理由ですが、日本では、男女の賃金格差が問題となっています。
介護の現場は、女性の割合が圧倒的に高く、施設等で働く職員の6割、訪問介護員の8割以上が女性だとされています。
他業種との賃金比較時に性別の比率の調整をすると、介護士がとくに低賃金だとは言えないでしょう。
日本では、家事や育児における女性の負担が多く、勤務時間も短くなり、賃金に影響を与えるのでしょう。
けれども介護の業界は女性の施設長も多く、とくに女性にとっては働きやすい職業だといえます。
パート社員が多い
介護士には女性が多い点から、当然主婦の方も多くなります。
| 令和3年9月 | |
|---|---|
| 介護職員 | 1,130円 |
| 看護職員 | 1,460円 |
| 介護支援専門員（ケアマネ） | 1,280円 |
| 事務職員 | 990円 |
| 調理員 | 950円 |
| 管理栄養士 | 1,080円 |
参照元は厚生労働省「令和３年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要（案）」
公益財団法人 介護労働安定センターによると、介護施設における介護職員の約4割が非正規雇用です。これが訪問介護員のみになると8割近くになります。
育児や家事との両立で、自ら非正規を選択されている場合も多いかと思いますが、そうでない場合は、ぜひ資格を取って正社員を目指してください。
さらに所得を上げるために
介護福祉士の資格は必須
| 平均勤続年数 | 令和3年9月 | |
|---|---|---|
| 介護福祉士 | 9.5 | 328,720円 |
| 社会福祉士 | 8.9 | 363,480円 |
| 介護支援専門員（ケアマネ） | 13.0 | 362,290円 |
| 実務者研修（旧：ヘルパー1級） | 7.7 | 307,330円 |
| 介護職員初任者研修（旧：ヘルパー2級） | 8.1 | 300,510円 |
| 保有資格なし | 5.2 | 271,260円 |
参照元は厚生労働省「令和３年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要（案）」
表は、月給・常勤者の給与です。勤続年数が短いとはいえ、資格がないと同じような仕事でも万単位での賃金格差がついてしまうので、何らかの資格取得をおすすめします。
介護福祉士の資格は、介護の仕事に就いて3年以上経たないと受験することができません。
また、ケアマネージャーは、介護福祉士や社会福祉士を取得したのち、5年経たなければ受験資格がありません。
かなりハードルの高い国家資格（ケアマネージャーは民間資格)だといえます。
だからこそ、取得することに価値があり、所得にも反映されます。
介護職員等特定処遇改善加算制度開始
2019年の10月から、介護職員等特定処遇改善加算制度（特定処遇改善加算)の導入が始まり、対象事業所で働いている介護スタッフの給与が一定数アップしています。
特定処遇改善加算は、介護保険制度の一環として導入されている制度です。この制度の主な目的は、介護職員の賃金や待遇を改善することによって、介護業界の人手不足を解消し、サービスの質を向上させることです。
具体的には、介護事業者が一定の基準を満たした場合、その事業者が提供する介護サービスに対して加算（追加料金）が認められます。
この加算を受けるためには、事業者は介護職員の賃金向上や研修の充実、労働環境の改善など、一定の基準をクリアしなければなりません。
この制度によって、介護事業者は賃金や待遇を改善するインセンティブを得ることができ、結果として介護職員が働きやすい環境が整い、質の高い介護サービスが提供されることが期待されています。
介護士とは？
介護士とは、高齢者や障がい者、病気を持つ人々が日常生活を送る上で必要なサポートを提供する専門職です。
この職種は、医療と生活支援の中間に位置し、専門的な知識と技術、そして人間性が求められます。
業界の中で介護士がどのような存在で、どのような役割を果たすのかを理解することは、この職種の将来性を考える上で非常に重要です。
介護士の定義
介護士は、主に高齢者や障がい者、病気を持つ人々に対して、食事や入浴、排泄などの日常生活の基本的な動作から、リハビリテーションやレクリエーション活動まで、幅広いサポートを行います。
関連する資格としては、介護福祉士やケアマネージャー、社会福祉士、作業療法士など、いくつかの種類があります。
介護士の役割とは？
介護士の役割は多岐にわたりますが、大きく分けて「身体的なサポート」と「心のケア」の2つがあります。
身体的なサポートでは、食事や入浴、排泄などの日常生活支援が主な業務です。一方で、心のケアでは、高齢者が心地よく過ごせるように、コミュニケーションを取ることも重要な役割となります。
このように、介護士はただの「介助」ではなく、専門的な知識と技術を持つプロフェッショナルな存在なのです。
介護士になるための条件と資格
介護士になるためには、どのような条件や資格が必要なのでしょうか。
介護士として働くには、未経験からでもスタートできます。
この項目では、介護士になるための基本的な条件と、取得できる資格について詳しく解説します。
介護士になるには資格が必要？
介護福祉業界には、いくつかの資格が存在します。代表的なものとしては「介護福祉士」や「ケアマネージャー」などがあります。これらの資格を持っていると、より専門的な業務を任されることが多く、給与面でも有利です。
しかし、資格がなくても働ける場合もあり、未経験者や無資格者でも採用されるケースもあります。
未経験でも始められるのか？
未経験者でも介護士として働くことは可能です。多くの介護施設やサービス業者が、研修プログラムを用意しているため、基本的なスキルから学ぶことができます。
また、働きながら資格を取得することも一般的です。未経験からでもキャリアを積み、資格を取得することで、将来的にはより専門的な業務や管理職に進む道も開けます。
このように、介護士になるための条件や資格は多様で、自分に合った方法でキャリアをスタートすることが可能です。
介護職員初任者研修を取得する
次に、介護職員初任者研修（旧ヘルパー2級）を受けることが一般的です。この研修は、介護の基礎知識や技術を学ぶ場であり、施設で採用の際に必須とされている場合もあります。研修は半月から2ヶ月位内で終了し、修了後には「介護職員初任者研修修了証」が発行されます。
座学と実習があり、費用は5〜8万円。ハローワークなら無料（テキスト代数千円)となっています。
このように、介護士になるためにはまずは職種についての理解を深め、必要な資格を取得するというステップが基本となります。これらを経て初めて、介護士としてのキャリアをスタートさせることができるのです。
介護士として成功するための戦略
介護士として成功するためには、どのような戦略が必要なのでしょうか。このセクションでは、キャリアアップの方法と働き方の選び方に焦点を当てて解説します。
キャリアアップの方法
介護士としてのキャリアを積むためには、まず専門的な資格を取得することが有効です。
介護福祉士やケアマネージャーなどの資格を取ることで、専門性が高まり、より高い給与や待遇を得られる可能性が高まります。また、継続的な研修やセミナーに参加することで、最新の知識やスキルを身につけることができます。
働き方の選び方
働き方にはいくつかの選択肢があります。フルタイムで働く場合、安定した収入と福利厚生が期待できますが、勤務時間が長くなる可能性もあります。
一方で、パートタイムやアルバイトで働く場合、時間に柔軟性がありますが、給与や福利厚生が少なくなることもあります。自分のライフスタイルや目標に合わせて、最適な働き方を選ぶことが重要です。
デイサービスは昼間のみ、ケアマネージャーは基本的に土日が休みです。
成功するためには、自分自身の目標を明確にし、それに向かって努力することが基本です。
資格取得や継続教育はもちろん、コミュニケーション能力や人間関係の構築も大切な要素となります。以上のポイントを押さえて、自分に合った働き方とキャリアアップを目指しましょう。
介護福祉士とケアマネージャーがおすすめ！
介護士としてスキルアップを目指すなら、介護福祉士の資格は非常におすすめです。
この資格は、介護の専門性を高め、より高度なサービスが提供できるようになります。
また、資格を持っていることで、給与面でも優遇されるケースが多いです。他にも、社会福祉士や介護支援専門員（ケアマネージャー）など、専門性を高める資格もあります。
介護福祉士になるには？
従業期間3年（1,095日）以上かつ、従事日数540日以上で、「実務経験3年以上」という受験資格を満たす必要があります。
- 養成施設ルート: 専門学校や大学で介護福祉士養成課程を修了する。
- 実務経験ルート: 介護施設で3年以上の実務経験を積み、指定の研修を受ける。←ほとんどがこのパターン
- 福祉系高校ルート: 福祉系の高校を卒業し、その後必要な講習を受ける。
- 経済連携協定（EPA）ルート: 主に外国人向け。実務と講習をこなす。
- 介護福祉士の国家試験に合格する必要があります。
- 試験は筆記試験と実技試験があります。
ケアマネージャーになるには？
介護福祉士や社会福祉士などの実務経験が5年以上必要。
その後、都道府県の実施する「介護支援専門員実務研修受講試験（筆記試験のみ)」に合格し、「介護支援専門員実務研修」を修了する必要があります。
介護士のメリットとデメリットを徹底解説
介護士として働く際のメリットとデメリットは何か、そしてデメリットをどう回避または対処するか。これらの点について、このセクションで詳しく解説します。
介護士のメリット
介護士の仕事にはいくつかのメリットがあります。第一に、高齢化社会が進む日本で、介護士は非常に需要の高い職種です。安定した雇用が期待できるでしょう。また、人々の生活を直接支える仕事であるため、やりがいや達成感を感じやすい職種でもあります。
自分の親の介護や介護施設選びにも介護士のキャリアは非常に役に立ちます。
介護士のデメリット
一方で、デメリットも存在します。人手不足が原因で、体力的・精神的にも負担が大きい仕事になっています。また、シフト制である場合が多く、土日や祝日、夜間に働くことも少なくありません。
デメリットの回避方法と対処法
デメリットを回避または対処する方法としては、資格を取得して専門性を高めることが有効です。
資格があれば、より高い給与を得られる場合が多く、専門的な業務に携わることもできます。
このように、介護士の仕事にはメリットとデメリットがありますが、資格の取得や食事や運動で自己管理することによって、デメリットを最小限に抑えることが可能です。
介護士として働く上での注意点
介護士として働く際には、いくつかの注意点とリスクが存在します。この項目では、それらについて詳しく解説します。
注意点
介護士として働く上で最も重要なのは、高いコミュニケーション能力と人間関係の構築です。
利用者やその家族、同僚と円滑にコミュニケーションを取ることで、仕事がスムーズに進むだけでなく、精神的な負担も軽減されます。
また、最新の介護技術や知識を常に更新し、継続的な学習が必要です。
リスクとその回避方法
介護士の仕事には、肉体的・精神的な負担が大きいというリスクがあります。
特に、長時間の労働や夜間勤務が続くと、健康を害する可能性が高まります。
このようなリスクを回避するためには、しっかりとした休息と自己管理が必要です。また、適切なリスクマネジメントとして、事故やトラブルを未然に防ぐための勉強も重要です。
リスクを最小限に抑え、安全かつ効率的に働くためには、以上のような注意点とリスク回避方法をしっかりと理解し、日々の業務に生かしていくことが大切です。
介護職に向いている人・向いていない人
介護士に向いている人
1.コミュニケーション能力が高い
利用者やその家族、他のスタッフと円滑にコミュニケーションが取れる。
2.忍耐力と耐久力がある
介護は精神的、肉体的にも厳しい仕事です。そのため、忍耐力と耐久力が必要です。
3.感受性が豊か
利用者の気持ちを理解し、細かいニーズに対応できる。
4.責任感が強い
介護は人の命を預かる仕事です。そのため、強い責任感が必要です。
5.柔軟な思考力
介護の状況は日々変わります。そのため、柔軟に対応できる思考力が必要です。
介護職に向いていない人
1.自己中心的な性格
介護は他者のための仕事です。自分のことしか考えられない人には向いていません。
2.精神的に不安定
精神的に不安定な人は、介護のストレスに耐えられない可能性が高いです。
3.コミュニケーションが苦手
人とのコミュニケーションが苦手な人は、利用者やその家族、他のスタッフとの関係性が築けない可能性があります。
4.体力に自信がない
介護は肉体労働も多いです。体力に自信がない人には厳しい仕事です。
5.短気や怒りっぽい
介護には忍耐が必要です。短気や怒りっぽい性格の人は、ストレスがたまりやすく、介護職には向いていません。
介護士の将来性に関するよくある質問
介護士の将来性について、多くの人が気になる質問とその回答をまとめました。
Q1: 介護士の給料は将来上がる可能性はあるのか？
介護士の給料は、資格や経験、働く施設によって異なりますが、高齢化社会が進む中での需要の増加とともに、給料が上がる可能性は高いと言えます。特に、専門的な資格を持つことで、より高い給与が期待できます。
Q2: 介護士はAIに取って代わられる可能性はあるのか？
AIや介護ロボットの技術は進化していますが、介護には人の温かみやコミュニケーション能力が必要です。そのため、完全にAIに取って代わられる可能性は低いと考えられます。むしろ、AIが単純作業を代行することで、介護士がより専門的なケアに集中できる環境が整いつつあります。
Q3: 介護士はどの年齢からでも始められるのか？
介護士は基本的にはどの年齢からでも始められます。特に、未経験者でも取得できる資格もあり、短期間で介護の仕事に就くことが可能です。ただし、物理的に厳しい作業もあるため、自分の体力や健康状態を考慮する必要があります。
介護士は将来性抜群のお仕事！
介護士の仕事は、確かに厳しい側面もありますが、その将来性は非常に高いと断言できます。
日本の高齢化が進む中で、介護の需要は年々増加しており、人手不足も深刻化しています。
これは、介護士にとっては仕事の安定性や給与の向上が見込まれる好機です。
さらに、政府も介護職の処遇改善に力を入れており、資格取得のための研修制度も充実しています。
AIやロボット技術が進展しているとはいえ、介護の現場では人の手によるケアが不可欠です。
感情やコミュニケーション能力が求められるこの仕事は、AIに取って代わられる可能性は低いでしょう。
また、介護士は多様な働き方が可能で、ライフステージに合わせて柔軟にキャリアを築くことができます。
この記事で紹介した各項目を参考に、介護士としての将来をしっかりと見据えてください。資格取得から働き方、将来の展望まで、一歩一歩確実に進んでいきましょう。
